チームはつかり

チームはつかり

チームメッセージ

チームはつかりは、30代の若手3人と50代のベテラン2人からなる研究者チームです。5人の研究テーマは図書館から出版、ジャーナリズムまでさまざまです。図書館の視点からだけでなく、出版やジャーナリズムなど近接領域の視点もふまえて、東日本大震災にどう向き合っていったらよいのか提案したいと思います。ちなみに、「はつかり」とは、かつて東北本線で運行されていた東北地方初の特急列車名であり、東北地方に多くの人々の夢や希望を運んだ特急でした。この名前に被災地への私たちの思いを託しました。当日、みなさまとお会いできるのを楽しみにしております。

チームリーダー

写真 氏名 所属 年齢 Twitter URL
野口武悟 専修大学文学部 33

1978年栃木県生まれ。国鉄(現JR東日本)東北本線の車両基地の隣に育ち、幼いころより鉄道マンになりたいと思っていましたが、なぜか図書館の研究者になってしまいました。現在は、すべての人々が利用できる図書館の実現を目指して、「図書館利用に障がいのある人々」への図書館サービスの歴史や現状を中心に日夜研究に取り組んでいます。
  
  

チームメンバー

今井福司 東京大学教育学研究科 31 @librarius_I researchmap

1980年神奈川県生まれ。高校は東急車輌の隣という好立地。演劇やったり、青春18きっぷで熊本まで1日で旅行していたりと、方向性がよく分からない生活をしてましたが、気がついたら学校図書館の研究を始めていました。現在は、学校図書館史をベースにしながら教育学と図書館情報学の間を行ったり来たり。研究でも現実の待ち合わせでも、よく迷子になります。
  
  

植村八潮 東京電機大学出版局 55

1956年千葉県生まれ。出版によって生み出された書籍は図書と名を変えて“館”に収まってきました。今後、図書は情報と名を変えて、バーチャルな館に収まればいいのでしょうか。長年、書籍の生成に関わり、モノとしての書籍、場所としての図書館にめちゃめちゃ愛着を持ちながら電子出版を研究しています。若手ではないですが、図書館ワールドの“新人”です。
  
  

千錫烈 盛岡大学文学部 35

1976年茨城県水戸市生まれ。中学時代に学校の隣に公共図書館が開館したことが、私と図書館の長い付き合いの始まりでした。公共図書館での勤務を経て、公共図書館での問題利用者や19世紀イギリスの公共図書館の利用階層など「図書館利用者」に焦点をあてた研究しています。被災地の岩手からの参加になりますが、図書館復興支援のため、ない知恵を絞りたいと思います。
  
  

山田健太 専修大学文学部 52

1959年京都市生まれ。専門は言論法、ジャーナリズム論。ということで、図書館とのつながりは図書館の自由です。最近で言えば、グーグル・デジタル・アーカイブ問題で、アメリカ連邦地裁の公聴会まで行ってきました。とはいうものの、ライブラリーホテルに泊まって、すぐそばのNY公共図書館に通ったことの方に興奮を覚える、タダの本好きです。3・11以降は、福島、石巻を定点観測地点にして<現場>に通っています。
  
  
  

事前課題「東日本大震災に向き合うとき」

  
私たちが提案する支援は、お金ではありません。人でもありません。モノでもありません。アイディアです。アイディアとは、図書館を元通りにするためのアイディアではなく、大震災から地域が立ち直るための、場所となるためのアイディアです。

私たちは地域が立ち直るための図書館となるために3つのアイディアを提示します。

まず図書館は地域の課題について、重点的に調査を行います。新聞報道や
自治体の役所の調査と違うのは、図書館の職員だけでなく、実際に困難に直面している住民と一緒になって調査にあたり、地域全体の課題だけでなく、
ミクロな細かい問題にも迫る点です。それは、1つの家庭、1つの地域といった小さな単位を中心として、きめ細やかな情報収集に当たります。そして収集した情報を、図書館に蓄積し広く公表します。こうすることで、見逃されがちな小さな情報も外へ伝えることができます。もちろん、そんなノウハウは図書館にはないという話もあるでしょう。しかし、政策決定のプロセスのジレンマにとらわれず、また様々な情報を溜めて公開する行為は、図書館が担える役割ですし、地域の中で図書館が積極的に関わるという点を考えても、例えノウハウが稚拙であっても取り組めることだと考えます。

次に図書館は、地域の人が何でも語れるスペースと資料を提供します。静かな図書館は一旦忘れて、世間話でも、相談事でも何でも語れるような場所を提供します。そこには単なる机や椅子だけでなく、少部数であっても話題提供や話題について深く考えるために小さな本棚を置き、資料を提供します。これは図書館が立地している場所だけでなく、各地の仮設住宅にも複数設置します。図書館まで足を運んでもらわなくても、例えそこに図書館が関わっていると分からなかったとしても、図書館が関わります。新刊書が足らないのであれば、各種著作権処理を乗り越えた上で、コピー製本をした本を提供してしまうことも、民間団体よりは図書館の方がより交渉しやすく、実行に当たることができると考えます。なぜならこうした人たちのニーズを集約し、それに応じた資料を提供する点では、図書館がこれまでやってきたノウハウが少しでも生かせるからです。

最後に図書館は、住民の話し相手になります。各地の避難場所や仮設住宅に置かれた資料をメンテナンスをすると共に、そこに居る方の相談や世間話に全て付き合います。例え図書館に来てもらわなくても構いません。図書館員だと言うことすら意識されなくても結構です。相談しに行けない小さな声をそこから拾い上げて、関連する部署や組織に連携するのは、図書館が行ってきたレフェラルサービスのノウハウが生かせます。利用者の秘密を守ることは、図書館員の倫理綱領で意識されてきたことですから、個人のプライバシーへの配慮問題は全くありません。民間のNPO団体に任せるよりもずっと安心です。

以上、私たちは地域が立ち直れるための図書館として3つのアイディアを提示します。